/はるな
きたりな土産物屋、ソフトクリーム、がたがたするベンチ。
ときどき、人生を助手席にのったまま過ごしているような気持がする。流れていく景色、点滅するウィンカー、表示される渋滞情報、時折求められる意見―「首都高に乗らないほうがよさそうかな?」―、運転手のためにコーヒーの蓋を開ける―そして閉める―、ガムの包み紙をひらく―そしてガムを吐き出すときまでそれを持っている。
娘と二年半(あるいは妊娠してからの三年とすこし)、べったりと幸福を過ごした。それはどうぶつみたいな二年半だったから、わたしはどこにもいなかった。いないままこのまま過ごすのかな、でもそれもいいな、いいかもな、どうぶつのまま走っているように生
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