褐色の濃いあたりに/深水遊脚
 
私が読んでいた詩集が気になったみたいで、よくは分からないけれど言葉でこんなふうにも伝えることができるんだね、そんな感想を私に伝えてくれた。身の上を少し掘り下げただけで、そんなに深く互いにたどり着く会話でもなかったと思う。彼女は結婚していて、旦那さん以外にも彼氏がいるみたいだった。そんな話を言いふらさないと思う程度には私を信じてくれたみたいで、ちょっと嬉しかった。私は私で、よかれと思ってした行動が人を追い込んだり、性的に奔放な人と知り合ったけれど結局1回もセックスしないで関係を切った話などをした。理屈っぽい子ね、と呆れられながら。どちらの話題も、それだけで人のことを判断できない類いのものだし、もっと
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