恥ずかしい日常/水菜
 
づさむと ぶと`うたちはよりいっそうたのしげにこころ弾ませたのでした



つめを折ったのは、そんな楽しげなゆるやかな午後のとき

すみずみまで柔らかな風が満ちみちて土の匂いが舞っていました

大人たちは、苦労して、音を忘れて

翡翠色のぶと`うの葉のかげに、 そっと置いてきたのでした



恥ずかしい日常は、そうして過ぎて行きました

大事なつめ先を折ったまま

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