ウソップ童話「一張羅のドラゴン」/花形新次
「寒い、凍えてしまう!」
ドラゴンは
半袖ポロシャツしか
持っていなかったので
冬になると
凍死しそうでした
それよりも何よりも
自分の発言が寒過ぎて
夏場でも凍傷になるほどでした
「このままでは春先、道端に
花が手向けられてしまう」
実際、ドラゴンが死んでも
誰も何とも思わないし
花代が勿体ないので
誰も手向ける訳ないのでした
すると、そこに空からグースが
舞い降りました
震えているドラゴンを見かねたのでした
グースはドラゴンに
自分の羽を抜きダウンジャケットに
するように言いました
グースはドラゴンがお礼を言うのかと
思っていると
ドラゴンは根拠の
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