ひとり/青井
 
ふいにすべてが遠ざかって

ぼくはひとりぼっちになった

窓辺の陽射しはほこりっぽくて

生きていくのは嘘くさかった

路地を通り過ぎる足音

薄曇りの空を抜ける弱い風

明日も昨日もどこにもなくて

いまここにぼくはいた

なにもかもが口をつぐんでいるような静かな午後に

ひとりぼっちで


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