曇り空の向こうに/Lucy
 
 


分厚い雲のはるか向こう
白く明かりを投げてくるのは
まるい太陽

アスファルトに吸い込まれながら
乱れ舞う淡雪
踏みつけようとすると消え
歩こうとすると
視界にまとわりついてくる
眩暈のように
吹雪にまかれ

細く流れる一筋の地下水脈だった
それが支えた
白くまるい夢の明かりを

油断だったのだろうか
それとも覚醒
あるいは風化による
単なる変質

地表に滲み出てきたとき
毒の水だった
井戸の蓋を開け
汲み上げると腐臭がした

そんなはずはない
これは清らかに澄んだ水
泉に石の蓋を被せて
水を封印したオンディーヌ
暴かれるこ
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