46×3/ただのみきや
アトリエに 違和もなく 海の 笑む 音(おと)
感傷の 気まぐれに 黒い蝶 化粧台で 殺し
逆らえない 四十万に 鈴の 急(せ)かし 空へ
ただ 近く 月を 手に 取って
泣きながら 睨む ぬるい 眠りの 野辺に
花は 火のように 震え 返答を 欲し
魔性 未満の 娘 眩暈の 模倣か
八重に 夢裂く 世迷言
らしからぬ 離反 坩堝の 恋情 ろくでなし!
わからずや! を ――云々と
雨の雫 石を奏で 後ろめたさの 円環に 織る
過剰な 絆は 朽ちて 穢れのない 懲らしめに
サフラン色の 死が 直ぐにでも 鮮明な その朝の
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