窓の林/春日線香
 
つまらない思いを抱えて
つまらないつまらないと日々を送るのが
これからも死ぬまで続くのだと
濡れた服を脱ぎながら真実に思えてくる
拾ってきた枯れ枝を瓶に挿し
部屋の中に小さな林を作ってやろうと
それだけを一心に考えていると
今生きていることさえ嘘のようで
電気を落として眺める窓に
往来の車の明かりが通り過ぎて
枝がざわざわと揺れ
枝がざわざわと海を呼んでいる
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