終着の浜辺/
岡部淳太郎
不快な朝に星の影がまだ残る
われわれはそれぞれに港を持つ船である
誰もがひとりで急ぎながら
あるいは迷いながら向かってゆく
汀に沿って幽霊のように鴎が飛ぶ
この浜辺は忘れられた者たちの残骸でいっぱいだ
癒されない苦痛のために
われわれは帰ってゆくのか
歌が聞こえる
その声は まだ遠いか
(注)
本篇は、J・G・バラードの同名短編小説(原題「Terminal Beach」)
からタイトルを借用しました。中身の方での関連はありません。
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