虹の意図/由比良 倖
手首から切ろうとしたらあなたはおかしい、って云ったではありませんか、あなたの顔が血まみれでもそれは仕方のないことです無実だというのにも疲れましたから寝かせて置いてください放っておいて、
誰の上にも雨は降ります誰の上にも血は流れます誰かに飼われたふりをするか誰かを飼うふりをすれば鎖の中だけは自由でいられますよ首輪を、
外しても首は外れないから顔を見ればすぐあなただって分かりますよ、あなたは適用されないかもしれないし、宇宙人はやっぱりいたかもしれないし、
だから次に出かけたときにドアの外にいるのはUFOかもしれないし、パトロールカーかもしれないし、ポストネオナチの街宣車かもしれないし、こいび
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