知らない土地に差す陽の隙間で/
noman
ありきたりな建物の影から
熱がすっかり移動して
遠くの景色が少しずつ
確かな輪郭を持ち始めた頃
黒く細長い支柱が切り取った背景は
穏やかに収縮していた
後から来るものは皆
他愛のない悪意を持っていて
一つの図形を何度も
躊躇うことなく素手でなぞっている
その手に移動して来る熱を
手袋で
遮ることができるだろうか
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