ばらばらのガラス/はるな
 

かなしい報せがよるをつたって
やって来ました
ぬるくなったビールを わけてやると
すこしあかくなっていた

よりかかろうかな とおもったけど
やめとこうかな

愛しているといえば壊れるようなうすい硝子のまえで
抑えてがまんしてそれでもたえきれなくて言ってしまったらやっぱり壊れたばらばらになった硝子のそばに立ってからだがすうすうしていた、いっそ軽やかだったから、愛してなどいなかったかもしれないと思った
愛してなかったのだとおもっても、われた硝子はやっぱりかなしいのだった。
そんなことをおもいだしていた

うつっていたのは自分のかおばかりであった、それは
にぶい光にまみれながら
すこしあかくなっていた


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