ヒモ太郎「自称詩人の夢は終わらない」/花形新次
 
報われない人生は
いつ終わっても
おかしくない
だから何としてでも
生きている証を残したい

そう思って
45歳派遣社員のヒモ太郎は
ネットに自称詩を投稿し始めた

すると
見たことも聞いたこともない雑誌に
一度載ったことがあって
本も出したことがある
何とかって人と面識のある人の
SNS仲間の叔父とかいう人に
「雰囲気がある」と言われたので
俺ってすごい才能あるんじゃない?って思った

しかしそのことを
妻に話すと
「そんなことより、ヒモ次郎の進学費用は
どうするつもり?」
と言ってきた

なんて夢のない女だ



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