苦い友/ただのみきや
 


食うことだけで満足できず
遊ぶことだけで満足できず

船底のどこかから形而上学的浸水
なにかに帰依したり大義を見つけたり

壊して造ってまた壊して
新しい仮面をつけた古いことの繰り返し

なにも変わらないことを知り
老いを知り

絶望の母の乳房に縋りながら何処かへと去って往く
なのに最後まで心を弄りに希望はやって来る必ず




                     《苦い友:2016年11月26日》











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