苦い友/ただのみきや
 

微かな星灯りが 灯って 消えて

漆黒の天蓋の張りぼてを被っても
目打ちで穿つ誰かがいる!

希望とは目録だけのもの
実体には触れることはできない

触れれば希望は死ぬ
(もはや希望ではなく現実なのだから)

そして現実こそが絶望の母
飽くことなく孕む胎

絶望こそ我が母 我が祖国
希望だけが苦役へと誘う

希望の苦さを知りながら
幾度騙されたことだろう

消し去られてもまた現れる
殺されてもまた蘇る

人類は希望を抹殺できなかった
九十九パーセント絶望の世界でありながら

希望は腐れ縁の悪友
詐欺師でギャンブラー 夢見がちの詩人

勝つ
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