苦い友/ただのみきや
 
目は口ほどにものを食う
飽くことはあっても満腹はない

痛みは正気
うかれた幸福感よりも

滾る大義の使命感
その他のことはすべて些末事

抑圧と束縛の中で
自由の価値を想う(実際のっぺらぼう)

宇宙的広さと無重力
感情の推力で自滅する者たち

飛ばされぬよう寄る辺を求め
自然と群れてルールができる

ほど良いやわらかさの拘束
ほど良い広さの囲い

「みんな一緒だよ」
「みんなそうなんだよ」

異分子 異端者 反抗者
村八分 追放 石打ち

とっくに絶望で構わないのに
希望は泡のよう 湧いて 弾けて

いっそ闇夜に包まれたいものの

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