惑乱(−0)/由比良 倖
 
うとしている

     答え、空はおとなしく、
     わたしは年齢を もたない

夜がこぼれていく、朝が感応しようと
         わたしはそこに
         限りなく小さな
         句点を打ちます

わたしがこの夜に在すること、
それは明日には小さな
限りなく小さな
悲しみとなって、
白に消えてしまうでしょう

    空の白に
    わたしの無駄は
    遠い空の 虚数となって
    私の夜の不確かな
    微かな不在の
    証明とはならないでしょう
    鳴る 鼓動が
    確かに遠く 鳴っていく

(−0)
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