蝶々/水宮うみ
 
あなたは蝶みたいに喋る。
わたしも蝶みたいに喋る。

「喋れない」とも喋れない蝶たちは、ひらひらと舞って、お花畑を自由に飛んでいる。

結局、わたしもあなたも喋りかけられるのを待っていた。今思えば、あのときの寂しさは、蝶よりも、動植物よりも、晴れた日の海辺のそらのように、小さく輝いていた。
わたしの寂しさが喋る。


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