灯台/いぬぐす
 
宝島を見つけに行くつもりで告白した女
泥船しか用意できなかった男
少しの波ですぐ浸水しはじめる小さな泥船は
ふたりでいることの限界を示していたが
女は泥船を鉄ではなく紙で修理している有様で
男はあきれて帆を張る気持ちも失うことで
航海を止めることにしたようだった

帆を貼らない泥船はさらに波に翻弄され
砕けて消えた

男は海賊になって良い船を手にいれようと言う
女はそんなことさせられるかと怒った

女は反省することもなく男に船を作れと迫り続けた
何度やっても男は泥船しか作れなかった
その現実を見えないまま
女は泥船でも帆を張ることさえすれば
宝島にいつかたどり着
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