misa/千月 話子
 
んだ 海の指輪は
あなたと共に流れて行った コバルトブルーの波
私の指には 貝殻だけが残されて
金の輪が 月の満ち欠けを真似ているようです。
 夜の箱に入れて 「さよなら」をした日を
 思い出せない・・・・・・・・・・・・。






エイプリル・フールに涙を流した嘘つきの あなた
役者になれば よかったのに。

紫の蝶のくだりが印象的な文章を書いた あなた
作家になれば よかったのに。

大物スターと楽しく喋る あなた
編集者になれば よかったのに。






今 どこに居るのですか?
 私のことを 覚えていますか?
  大好きな あの人の優しい歌を聞きましたか?
   あなたは今 何歳ですか?







青い空の綺麗な晩に 夢を見たの
その中に 映画のワン・シーンのように
エンドロールで笑っていた あなたが
夜の帳と幕を降ろした 美しい物語です。







ある日、どこかで お会いしましょう。
あなたの印を 覚えているのよ。 
  覚えているのよ・・・・。


戻る   Point(7)