短詩4篇/白島真
 

抱えきれないこの空洞の先行きは
銀河を湛えて錆びない意思の塔なのか
あるいは空洞の荒野の後ろには
あかるい羊水の満ち潮が待っているのか



「詩の姿」

胸いっぱいに吸い込んだ哀しみは
けっして吐き出されることはない
あたため うなされ やがて浄化され
片言のうつくしい詩を表出する
ことばが肺胞の奥ふかくにとどまって
哀しみとともに最期の息を吐くとき
それはこの世の雪のように結晶する






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