赤いぼろきれと蜘蛛/田中修子
肉が食べたいと泣いていました。
「やめた」
竹の葉がざらざらとざわめく中、月の明かりを頼りによろめくように歩きます。
虫がりんりんと鳴いていて、こじきの女の子も一緒に泣いてしまいそうでしたが、涙はもう出ないのです。
「何もかも、もうやめた。私は病気だもの、治りっこないわ、もうここまででいいのだった」
立ち止まったとき、狐が通りかかり、ふさふさと尻尾を揺らし、こじきの女の子の首に巻き付いてささやきます。
「考えないで感じること」
催眠術にかかったようにこじきの女の子は眠りにつきました。一瞬の眠りの中、果てのない旅をし、瞬きすると、少なくとも、はえとり蜘蛛の
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