めぐり 哀歌/
ただのみきや
ち
燃えるように 輝いていた
――朗らかな笑いも
涙がまだ乾き切らない微笑みにはかなわない
失ってまざまざと美しさは……
男は
女の終わりを見つめるだけ
女は
男のつめたい吐息を背に感じながら
深く己の内に没して往く
ただそれだけ
くりかえし
くりかえす
季節は
ひとつになれず
分かたれず
何度生まれ変わっても
ひとつになれず
分かたれず
背中を見つめ
背中で感じて
《めぐり 哀歌:2016年11月12日》
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