誤解の猿酒/青木怜二
 
題名を知らないシャンソンが鼓膜から記憶へと
空気を振るわせ、時間と空間を潰して流れる
後になって知る、このフレーズは本来なく
この旋律は架空であると。

記憶の断片が忘却の窪みで発酵する
それは猿酒のように芳しく
味わい深い誤解。


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