誤解の猿酒/
青木怜二
題名を知らないシャンソンが鼓膜から記憶へと
空気を振るわせ、時間と空間を潰して流れる
後になって知る、このフレーズは本来なく
この旋律は架空であると。
記憶の断片が忘却の窪みで発酵する
それは猿酒のように芳しく
味わい深い誤解。
戻る
編
削
Point
(2)