愛/水宮うみ
 
喋ったり書いたりしていた僕らは、どんな言葉だって使えた。
こんな言葉だってそんな言葉だって使えた。

「うれしい」「またね!」「ごめんね…」「さよなら。」

いろんな言葉を使えた。彼女の言葉に救われたり、彼らの言葉に突き落とされたりした。
明日からも、僕らは言葉を使うだろう。
僕らを言葉が変えて、僕らが言葉を変えて、僕らが笑うと言葉たちも笑う。
「あなたはどんな言葉を使うの? 聞かせて」
僕は今日、こんな言葉を使った。あなたの言葉はあなたの愛だ。

戻る   Point(1)