青いままで/
ただのみきや
喪失が
いま
巻き戻し
再生され
くり返し
喪失が
膨らんで満ち
溺れる空ほどの非在を包む紙のからだ紙のこころ
紙の海を泳ぐ魚の群れ紙の天を飛ぶ鳥の群れ
紙の街を歩く紙の恋人たち
それら編み上げられた祭壇に
火を放て
一斉に飛び立つ枯れた蝶の群れ
つむじ風の祝詞は
目よりも耳よりも
今ここに刺す
《青いままで:2016年11月5日》
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