ブローニングM1910/
ホロウ・シカエルボク
ってしまいたいけど
騒いでるやつらはおれの都合になんか合わせてはくれない
たとえば近所のパブの名前なんかを
きちがいじみた声量で叫んで
エキゾーストをバラ撒きながら走り去ってしまう
あとには安堵した普通の人々の
普通の人々の安らかな寝息があるだけだ
おれは枕に顔をうずめて
初めて神に祈りを捧げる
いつか一度だけおれの首に触れたアンジーの
服が擦れるみたいなささやかな笑い声が耳元をかすめる
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