詩人の彼は/
もり
詩の尾っぽを見つけて
しまったら
原稿用紙の海へ
すぐさま舟を出したくなる
昼だろうが 夜だろうが
凪だろうが 嵐だろうが
あくまでも
must、って感じで
置かれた受話器から
恋人の声
まもなく
はげしい雷雨となるでしょう
馬鹿だなあ
必死に櫂を漕いでいる
できる仕事は限られる
交差点の真ん中でひとり
交通整理など以ての外
ひとたび 詩の尾っぽを
見つけてしまったら
彼はアスファルトにさえ
書くだろう
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