淋しさ/不思議な色の妖精
 
猫背なのは寒いからじゃなくて
お味噌汁は今日も温かい

適当に相槌をうっていたら
本当のことが分からなくなった

「さみしい」の一言
誰にも言えなくて
グッと飲み込む

君が居た部屋
温もりはもうなくて
冷え切っている

みどり色のライオン
1000円の化粧水

咥えたままの歯ブラシ
私には大き過ぎるよ

「赤色の目をしている」
君は気付かなかったね

手持ち無沙汰になって
両手で胸を寄せてみた

みんなは見向きもしないのに
画面の中の君は温かい

貸してくれた小説
1ページも捲れずにいて

涙は拭わない
またすぐに溢れるから
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