獣より/ゼロハチ
わないよう
同じ森を一緒に走り続けてくれていた人たちがいました
この人たちは聞いていたことでしょう
私が独りぼっちだと叫びながら走っているのを
きっと張り裂けそうな心で聴いてくれていたのです
私は人に戻りました
獣のように生きることに必死でした
せめて死ぬ時までには戻りたいと思っていたけれど
音楽を美しいと思える今を生きることができている
悲しみは消えずに残り続けることでしょう
壊れてしまったものも完全には戻ることはないでしょう
でも神様というものがいらっしゃるのなら
私はあなたに負けませんと言い、
そしてありがとう
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