『お菓子をくれなきゃ』/葉月 祐
れもうまくいかなかった
この夜もまた大口を開けて私の中にある暗闇を狙っている
油断すればそれは一瞬の事だろう
箱はカラカラと満たされない音を鳴らして揺れていた
夜を照らすカボチャだけがケラケラ笑っている
ああ、君には何もあげないよ
どれだけこの静けさのボリュームを上げてもね
イタズラしてくれてもあげるものが無いから
諦めてくれるかい
――――――その飽和した感情で良いだって?
尚更ダメだな、
これは君の持ち物にはならないものなんだよ
悪いけど他をあたってくれるかな
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