オイルサーディン/暗闇れもん
やだと利口な魚
船を作る妖精たちは時には我が侭を言いたくなってもいいのですよと優しく微笑んだ
暗い海の底でのお話
キラキラ光る沈没船に眠る金塊なんて何の価値も無く
キラキラと光る鱗が妖精たちの仕事に大切な明かりを灯す
優しく微笑んだ妖精たちの中にも暗い思いは渦巻いていて
他の優しい妖精たちの仲間はずれと孤独を恐れ
偽りの笑顔を映す妖精はただ一人
時には悪を言わせる優しさが欲しいと海面に向かう泡に紛れて吐露した
想いは利口な魚には届かず
利口な魚は妖精の言うただ一度の我が侭で
ある港町の冷たい樽に眠った
太陽も届かない
ある暗い海の底でのお話
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