ワイン/
不思議な色の妖精
暴力的な愛に突き上げられてしょっぱさでぐちゃぐちゃになる
愛してと願う度にぶたれて鍵のかかったこの部屋からもこの人からも逃げられないんだと悟る
砂利と泥っぽさで汚れた床には赤いスニーカー
ワインのボトルが散乱していて口紅のついたティッシュが大事に取ってあった
どうしようもない夜に駆け込んだあの日の優しさはそこにはもうなかった
車の通らない夜の道路を部屋着でひたすら駆けた
浮世離れしたような気持ちと冷たい風に涙が出た
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