薄衣/水菜
おままごとあそびです。
ゆみは、ちいさな手でジャッキーとクーピーのお弁当を作ります。
(幾枚もの薄衣を重ねて
血色の良い足が足首側を上にして
歩いている
生白い足の裏は足指や土踏まずを器用に動かしながら
会話をしている
さらさらした薄衣を頭から被っているために、傍目からは小さな人形のようだ
美恵子は、目を疑った
よくよく見れば話す足の裏の本体は、そばかすで小さな身体の由美子の仕業だった
足を器用に動かしながら、あ〜でもない、こうでもないと床の上で紙に殴り書きをしている
由美子の奇行は、よくあることで慣れっこのつもりだった美恵子は、つくづく自分の認識が甘かったことを痛感
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)