地球的青さ/ただのみきや
 
いつだっていまだって青い
地球は朝で昼で夜だ
なのに地表の隅っこで(あるいは真中で)
いまブルーライトに照らされぽつねんと
もの思いに耽っているわたしには律儀にも
朝昼夜は朝昼夜と巡り訪れる
闇と光
夢と現の走馬燈
やがて溶け合い なめらかなバターへ
遠く外から眺めれば
いつだっていまだって青い
意識で無意識
ユメでウツツ
眺める者のお気に召すまま
宇宙の端っこだったり(あるいは中央だったり)
炎が燃えて水浸しで乾いていて吹きすさんで
しびれるほど冷たくて猛烈に暑くて
一個の孤独で
誰かの引力に絶えず影響されて
いつだっていまだって青い
わたしは混濁
黎明の青 
逢魔が時の青
夢見る蝉の背から伸びる青
ブルーライトに照らされちょこなんと
並ぶ言葉たちの無邪気な復讐の溜息に
いつだっていまだって青い
とある地球は揺らめいて
澄んだ炎の花びらを散らす




               《地球的青さ:2016年10月26日》








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