いのちの踊場/印あかり
あの踊場へ落っこちた心
禁酒を破った頭、くらくらして
窓からぐっと手を伸ばす
亀虫の死骸が畳に転がった
白いのに暗い部屋
生乾きのパジャマの臭い
花瓶に生けたおとうさん、おかあさん
とめどなく血を流すこの穴の
痛みをアルコールが抱いている
あの踊場へ沈んでいった心
浮かんでこないものが愛おしい
やがて訪う虚ろな誰かが
わたしの背を押すのだろう
けれど、
そうっと身体を引っ込めた
あれはもうわたしのものじゃない
誰かに輪郭を与えることが
あれの使命よ、さようなら
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