空とヤフオク入札と/番田
友人とまた日本橋で会い
隅田川の道を歩いた
曇り空 並んだビルのブルガリアヨーグルト
風のない道はどこまでも続いていた
人は すれ違う 黒い服
それぞれの時間の中を生きている
ベンチで 私も そして
缶コーヒーを取り出して
川面は通り過ぎる屋形船の
いつまでも 波に
ゆらめいていた 私が昔ここで面接したときの
ある日の昼間のように 冬の 私がいた
あのドラマの主人公は
恋人と行ってしまった ボストンで 恋人と
楽しく 今頃暮らしているとは思う そして
飲みあきたコーヒーを飲み干した
戻る 編 削 Point(1)