ぼくの内側から崩れていく海/白島真
 

 あやうい自身の影絵を きみは
 いつまで見続けていこうとするのか

 
 人よ いまはもう夕暮れに
 ぼくはしずかに気づき始めたようなのだ
 懶惰な生い立ちと
 生きる核にも似た野心の瞬き
 それでもいい! 陣痛のひととき!
 ぼくを周(めぐ)る
 どれも似たような気配のなかで
 感性は鳥肌立つ死の肉だ
 岩石(いわお)に滴る
 太古の匂いの激流だ

 
 いま冷たい祈りのように
 ぼくの内側から崩れていく海がある
                 




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