粉ごな/
はるな
刃ものみたいに
とがった穴を
言葉たちがすり抜けるたび
けずれる
文字とも音ともつかない粉が
一杯になって
それはもうやわらか
刃だってだんだん鈍って
いまはやさしい熊ぐらいに
なった
ここはいまでも
仄くらいが
横たわるには丁度良い
鈍い穴に 粉ごなたちがうつって
文字とも 音ともつかない それたちが
わたしでないものとわたしと
あなたとあなたでないものに
まぶっていくのが 見える
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