祖母は千歳飴をなめる/
白島真
って
おいしそうに千歳飴を舐めている
ぼくがみんな買ってあげたのだ
曾祖父や曾祖母にも兄弟がいたはずだが
はっきりと思い出せない
それは記憶や知識が曖昧なせいではなく
まだその時がきていないためだ
明日、数年後、数十年後になったら
きっと思い出す あるいは
その事実に遭遇する
系譜はさかのぼるものでなく
いまここで織りなされているものだから
ぼくは毎日みずをあげ
こんにちはと声をかける
戻る
編
削
Point
(13)