空の鍋叩き/
ただのみきや
笑って時を違えてほしい
からだの中で目を覚ます夜には
かならず想うことだろう
初めから失っているものこそが
全ての答えだと
決して埋まることのない喪失こそが
繰り返す始まりの欲求
音(オン)と意(イ)の踊り立ちあがる蛇のように
おまえ
定義より喩(ユ)が似合う
《空の鍋叩き:2016年10月15日》
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