その傷が疼くために/ホロウ・シカエルボク
中でだけ通用する真実を差し出したところで、感染症にやられて黒ずんでしまうだけさ…誰も眠らない寝床は客を取ることのない売春婦の股座のようにぽっかりと空いている、それは二度と埋められることのない闇だ
とある無人島に残されたホテルの廃墟に、オードブルの準備がされたままのテーブルがある、その皿の上の食物はとうの昔に塵になって消えたが、魚の骨や飾り物などはそのまま転がっている、いくつの細菌が、いくつのバクテリヤが、いくつの虫が、いくつの小動物が、いくつの獣が、いくつの鳥がそれらを屠ったのだろう、俺はそいつらの歯形をすべて変換する、変換してこうして並べている、そうしてそれはおそらくがらんどうの廃墟の
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