西瓜/草野春心
 


  それで、流れた血は
  西瓜のいろに丸まった


  パジャマを着たまま私はしゃがみ
  馬鹿みたいなバイクにきみが跨り
  どちらかが 何かを ほざき


  虚ろな針葉樹がしつこく、
  夏の夜闇にこぼれていくのは
  たまらなく好きなことのはずが
  そのときは厭で 厭で 仕方なかった



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