転換点/霜天
子供達の笑い声が響きます
夜の頃、寒空の影のあたりで
冬の薄皮の下、破れそうなぎりぎりのライン
ジャケットを探す手で
ため息の縁をつかんでみる
思いのほかよく伸びるそれを
つま先まで引っ張ってみると
ぱあん
大きく炸裂する音で
夜が弾けた
顔を上げると朝
だったりする
深海2000mくらいの
堂々巡りの思考もお構い無しの
染みる朝焼けが
近い
黄色い付箋の貼られた本の
ページを開いてみても
零れ落ちる文字の
見覚えが無い
朝
笑い声も遠ざかっていくので
あらためて
拾い集めてみたりする
朝
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