白蓮/?本 サハラ
「白蓮」
この街に良いところなんて数える程しかなく
履き潰したサンダルを引きずりながら
夜の帳に身を預けてみたって
そう言えば最後に靴を買ったのはいつだったかなと
どうでもいいことばかり頭を過るのだ
その交差点では三年前に中学生が死んだ
そこの裏の工場には銀杏が生えていて
銀杏が割れて腐る度にそれを思い出しては
胃酸を吐き続けるそんな日々だ
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愛される事がセッ○スだけとは限らない
セッ○スも愛する事だとは限らない
でも僕の横ではそれらが行き交い続けては
僕を見降ろしている
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星屑だけを集めて更にそれを砕いた
その砕いたそれを器に入れては眺めていた
小規模な宇宙としてそれを舐め回す日々は
ロリポップキャンディを欲しがる私の息子と
あまり変わりはなくやがてはまた私も大人になるのだから。
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この街には大きな川が流れているが、
ただ白蓮がぴちゃりと水面から弾けるだけで
何も何も何も、変わりなどしない。
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