断片/もっぷ
 
まったくの村で
少年はコバルトブルーのまなざしでダムを思っていた
偶発の茶番が 彼を東京に呼び戻し そこで

まったくの零から(異議あり!)
長靴(ちょうか)の紐は結ばれた もはや
三叉路すら閉ざされ 塗れたレール 沿線で待つルーティン

(あなたのための
 中央線)

零もしくはたとえば一 どちらも 単なる
、では仮に彼の手の指が合わせて十二本だったなら

若すぎたその人の手許に『史的唯物論』
の矛盾を?解き明かして?
いまは
「零の」白骨、それでもコバルトブルーのまなざしを 忘れ得ず


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