曇り空/
吉岡ペペロ
曇り空
ひんやりと澄んだ風
休日の午前九時
あらゆる不穏が
ただ棲息していただけの頃
天下りの喫茶店で
芳ばしい珈琲と量の多いモーニング
ガラスのむこうに曇り空
いまはひとり
もう誰もいない、いない
目や傷にやさしい
あらゆる不穏が
ただ棲息していただけの頃
曇り空
ひんやりと澄んだ風
休日の午前九時
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