静寂/葉leaf
静寂に包まれたとき
耳の中で波音が聞こえる
私の中で波打っているものは
私だけのものではなくて
私個人から限りなく遠いもの
静寂は私を私から分離させ
私は今やただの波音である
この波音は何も表現しない
静寂は入り組んでいる
複雑なリズムの音楽があるように
複雑なリズムの静寂がある
静寂はより深くへと静寂を投げかけ
世界が音を鳴らすための
原初の広がりを作り出す
静寂のネットワークの末端に
私はさびしく接続されている
静寂に包まれたとき
すべての存在は承認され
何よりも存在の芳香が承認される
私もまた生まれたばかりの一日を
抵抗を乗り越えていく柔らかさを
滲み通るかのように承認され
昼の喧騒により否定される前の
つややかな光の時間に分け入っている
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