詩/代償としての/ただのみきや
光の傾斜のよわいめまい
に
いななきも止んだ朝の膨らみ
秋は秋と重なって遠近を失くしながら
凧のように 空(くう)の空(くう) 淡く燃え
無限の、 矛盾の、
存在の、 根幹の、
宿り木の、 日毎の雑事の繁りの隙間の、
射してくる不朽の、
問いである答えの、
微笑みである悲しみの、
力なくこみ上げる咳の、
青黒い輪郭線の
左頬の、 あなたの、
広げた翅を上手くたためず
窮屈な上着の裾からはみ出して
いつか、 いつかと、 いつのまにか、
擦れて汚れてぼろぼろに
風も光も抱けないまま呪縛となって
広げた地図を上手くたためず
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