金木犀/らいか
、その人は金木犀の人、
「君前見てないと危ないよ、私がヤクザだったらどうするの?」
少し言うべきことがずれているようにも感じるけどこっちが可笑しいのか、今でこそ正論を突く言葉になっていそうだ。
金木犀のその人はそんな野蛮な人たちなんて問題にならないほどの、その、素敵なひとだった。
その素敵な姿はこれから思春期に向けて走りゆく青春の1ページとして美化されいるんだろうか。
だけど
毎年この季節になると香る金木犀の香りに、その人は鮮明に蘇る。
子供の時代というものは二度と戻らないもので、大人の時間感覚の何千カラットも光り輝いていた。
だけどその時間を大事にできるのも今になって、大人の自分にしかできないこと。
そんな時間、気持、光差し込む匂い、分かち合えるそんな金木犀のことを僕は大好きだ。
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